先日、新宿の東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館で開催されている吉田博展に行ってきました。8月26日までだったのでもう終わってしまってるんですが。記事にするのが遅かった。
いざ新宿へ
混み具合どうかな〜すいてるといいんだけどな、と思って行ったんだけど舐めてた。お盆だったからかけっこう混んでる。 とはいえ、去年の大関ヶ原展とかほんとに混んでる展示と比べたら見やすい程度。
客層は新宿という土地柄なのか、意外といろんな層の人がいるなあと思った。夏休みの小学生とか普通のカップルとか年配の方とか。
逆にサブカル系美大生みたいないかにも美術館にいそうなタイプの人が意外にいなかったのが印象に残ってる。なんでだろな。新宿だから?
吉田博さん、どういう画家なのか知らなかったんですけどTLで行った人が絶賛してて、どんな感じの絵なんだろう?と思って調べたら綺麗だったので行くことにした。こういう時ほんとに趣味合う人ばかりフォローしてて良かったなーと思う。
展覧会は初期の素描からはじまり、油絵から木版画に移行していく。
もうなんか、笑っちゃうぐらい絵が上手い。いや、画家なんだから当たり前といえば当たり前なんだけど、それにしたってですよ。
18歳の時のクロッキーも展示されてて、18歳の時点でありえないくらい上手い。もうどれだけの枚数描いたんだろう?って考えると気が遠くなるほど。鉛筆のラフな線なのに無駄がなくて、線が形になってるんですよ。あー絵が上手い人ってこうだよなー。わかる。
やっぱり上手い人は尋常じゃないくらい練習してるし、何事もそうなんだけど上手くなるためには「どうしたら上手くなれるか?」というのを考えながらものすごい数をこなさないといけないんだなと思った。
まあそれってほんとに当たり前で基本のことではあるけど、やろうとすると難しい。
展示室を進んでいくと油彩から木版に移る。
この木版画が非常に色彩豊かで光の表現が繊細。木版でこんなに繊細な表現ができるものなんだなと驚いた。
というのも、木版画を見る機会って意外となくて。
西洋の絵画展なら油彩がメインであることが多いし、版画が展示されていたとしてもエッチングとかドライポイントとか、そういうのになるから木版はあんまり見かけない。
で、日本画の中の木版画だと浮世絵が幅を利かせてる。だから木版画ってこんなイメージ、っていうのはほぼイコール浮世絵のことだった。私は、だけど。
だから吉田博展の木版を見た時、こんなに色彩の豊かな木版画があるんだなあ、と感動したんだなあ。
山頂から見た山々のけぶったような空気や月夜に揺れる桜の美しいことと言ったら。
いつかの小林かいち展に行った時も思ったんだけど、作品は実際に展示会場に足を運んで肉眼で見るのが一番良い。
紙の微細なざらつき、インクの乗り方や重なり。そういうのって図録の印刷じゃあんまりわからないから。
そういう意味で、この展示は本当に行ってよかったと思っているし、またどこかで開催されたなら足を運びたい。